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    仮暮らしの (前編)

    • 2017.08.08 Tuesday
    • 07:32

     

    ご自宅の全改装のご相談にのらせて頂いているお施主様が、

    家相を気にされ、占いの先生のところに行かれました。

     

    「〇月〇日から〇月〇日までに仮住まいに移って、

    自宅に戻れるのは、〇月〇日以降から〇月〇日までの間。

    仮住まい先の方角は、南か北のみ、あとは・・・」

     

    それを聞かれた奥様は、

    見知らぬ場所で、家族5人仮住まいをするよりも

    使っていない倉庫スペースに仮住まいを作る決断をされました。

     

    引っ越しまでの時間もあまりなく、

    打ち合わせをしながら工事を進めて、

    見積を見ながら、工程に合わせて決めて・・・

    なんとか、お引越し前日に完成しました。

     

    計画は、倉庫スペースに元々付いていた窓に合わせて空間を仕切り、

    余計なことはせずに、流れに任せて、必要なことのみを選択してできた仮住まい。

    コストを抑えるためにご自宅の襖を再利用し、水廻りの出入り口には、既製品を使いました。

    襖と既製品の内法高さは25センチほど異なりますが、あえて使いました。(つづく)

     

    着工前です

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    北風と太陽 共に暮らす家 (後編)

    • 2017.07.04 Tuesday
    • 07:44

    (前回の続きです)

     

    業者さんから届いた見積は、予算オーバーでした。

    もともと、予算に合わせて出来るものを創るというよりは、

    家づくりを楽しみながら、理想といえるものがいくらぐらいするものかを

    掴んで頂くための検討でしたが、お施主様は、ショックを受けられました。

     

    気持ちを切り替えて頂き、

    見積を精査しながら、プランも変更し、

    検討を続けますが、どうも上手くいきません。

     

    「理想」という大きなテーマに対して

    どこか力任せになっていたのかもしれません。

    お施主様の言葉一つ一つに注力しすぎて、

    大切なことを見つけられずにいたのかもしれません。

    ただ、気づかないといけない何かがあることだけは、わかっていました。

     

    ある時、

    リビングだけじゃなくって、やっぱり寝室にも北風を入れたいなぁ。

    扉の下からとかじゃなくって、窓からスーッと入ってくる北風は、

    夏、きっと気持ちいいと思うんです。

     

    当時、寝室は南側の予定でした。

    どうやって北風を入れるか?

    南側にある寝室に無理やり北風を入れる工夫をするより

    素直に北東に持っていったら・・・・・・あっ、解けた!

     

    それは、ドラマの探偵が、謎を解いたような瞬間で

    個人的に気になっていた他の部分もすべてクリアでき、

    これこそが、お施主様にとって理想の家なんだと確信できました。

     

    それからは、見積・法的な調整も上手く進むようになり、

    今年の1月に竣工を迎えることが出来ました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    北風と太陽 共に暮らす家 (前編)

    • 2017.06.27 Tuesday
    • 08:11

     

    冬はリビングのこの辺りまで、太陽が来てくれて暖かいけど、

    5月頃になると強い日差しは入ってこないし、

    代わりに北風がすーっと入って来て、心地いい家です。

    寝室も北側にして、正解だったなぁ!

     

    お施主様とは、3年前ぐらいにお知り合いになりました。

    初めてお会いした時は、家づくりにお疲れ気味で、

    「なかなかいい家になりそうにないんです・・

    よそでいろいろ提案頂いたんですけど・・・どれもいまいちで・・・

    敷地が変形地だし、高低差もあるし・・・

    自分たちの気に入った家が出来ないなら、いっそう家づくりをあきらめようか・・・

    とも話しているんです・・・」

     

    お施主様にとって、

    どういう家が理想の家になるのか?

    ご自宅で生活状況を見ながら打ち合わせを重ね、

    お聞きした要望に沿って家づくりを進めました。

     

    この時、気をつけていたのは、

    こんなことも出来る!あんなことも出来る!!

    さまざまな案を一緒に検討しながら、まずは家づくりを楽しんでもらうこと

    そして、いろんなできることから、本当に自分たちにふさわしいものを見つけて頂くことでした。

     

    検討を続けているうちに

    自分たちにも理想の家が出来た!

    あとは、見積さえ上手くいけば・・という段階まで辿り着くことが出来ましたが

     

    確かに、出来上がったら、おしゃれですごい家になりそうなんだけど、

    ご家族にとって本当にこれが理想の家なんだろうか?

     

    という思いが、僕の中で日に日に強くなりました。(つづく)

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    伝わる想い

    • 2017.05.30 Tuesday
    • 07:51

    家づくりを始めると、

    今まで以上にご家族それぞれの価値観と向き合う機会が多くなるのではないでしょうか?

     

    こういう人やとは、思わなかった・・・

    こういう優しい一面もあったんや!    様々な気持ちに振り回される方も多いと思います。

     

    同居をお考えの方々は、ご両親との距離感をどうするか

    近すぎず、遠すぎず・・・匙加減を間違わないように慎重に検討される方も多いです。

     

     

    写真は、

    私、日焼けしたくないんです・・・

    奥様に言われた一言をきっかけに設けたリビング前のテラスです。

    夏の強い日差しを遮り、冬の優しい光を部屋の奥まで導いてくれる役割を担っています。

    お隣が奥様の実家ということもあり、

    気軽に来てもらえるよう入口を設け、小ぶりな沓脱石を置いてみました。

    防犯面より建具を入れることも検討しましたが、ここは常にオープンにすることにしました。

     

    竣工時、

    玄関にまわるのがめんどくさいと思うから、

    ここから上がって来てくれてもいいよ〜♪    少し恥ずかしそうな奥様

     

    ちょうどええわ!

    野菜とか持って来た時に、ここから上がらしてもらうわ。

    ここで靴脱いで・・・   自分たちなりの使い方をイメージする笑顔のご両親

     

    常に開いているテラスは、

    いつでも来ていいよ! ご両親を大切に思う気持ちの表れ。

     

    普段は、面と向かっては言えないけれど

    その愛情は、形を変えて、伝わりました!

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    言葉にならない想いを

    • 2017.05.16 Tuesday
    • 07:57

    イメージなく、ぽろっと口から出たり

    言葉にならない想いがあります。

     

    ラグジュアリー感のあるトイレにしたいんです。

     

    しかし、他とのバランスを考えると

    本格的なラグジュアリー感は、

    頑張った感として伝わりかねません。

    また、気に入っている部分や再利用する備品もあります。

     

    ラグジュアリー感という言葉をヒントに

    断片的に素材や色を検討しながら

    施主様の言葉にならない想いを

    そのまま写すよう心掛けました。

     

    出来上がった時に

    可愛い感じで、まとまりましたね

    お施主さまにお声を掛けると

     

    今の「かわいい」という一言で、胸の中がすっきりしました。

    そう、ちょっとかわいい感じにしたかったんです。きっと!!

     

      

    before                                        after

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    千客万来 (後編)

    • 2017.02.14 Tuesday
    • 07:51
    前回の続きです

    暮らしを変える玄関先を創るには・・・
    考えながら実測していた時、気になったのは、床でした。
    玄関先の床は、ポーチ部分とアプローチ部分に分かれており、
    門を開けて、飛び石の上を2,3つ歩き、玄関扉前で立つ・・・



    広くない空間を分節し、用途も決まっている状況に窮屈感を覚えました。

    もし、シーンごとに役割を変えながら
    家の中と社会を繋ぐ一つの間が
    ここにあったら、どういう生活になるのか?

    玄関ドアを開けて、1歩外へ出る時
    どこまでも続くような床があったら、
    今までより澄んだ心持ちで、
    社会に出ていく事ができる・・・?

    その広い床は、
    ご家族の開いた心持ちを社会に示し、
    来られた方も、以前よりも入りやすく
    玄関先の立ち話にも花が咲く・・・?

    そして、身体を壊されてから、
    寝室から出入りされているご主人様も、
    介助を安心して受けながら
    ご家族と共に出掛けられる・・・?

    広い床さえあれば・・・!





















    千客万来 (前編)

    • 2017.02.07 Tuesday
    • 08:03
    以前お仕事をさせて頂いた方から
    門廻りの相談を頂きました。

    30年ほど前に建てた門柱の1本が道路側に傾いてきて・・・
    万が一道側に倒れて、通行人にけがを負わせてはいけないので・・・

    という内容でした。

    前回工事を担当して頂いた工務店に連絡をし、
    「お話を聞きながら、見積をしてあげてほしい」
    とお願いし、自分の役目は終わったと思っていました。

    数カ月後、別件でお施主様にお会いした時、

    あの傾いている方の門柱を
    一旦解体して、もう一度同じものをつくるとしたら、
    40万円ぐらいかかるっていわれて・・・
    なんとかなりませんか?

    とお聞きし、検討させて頂くことになりました。



    門を門として直すのではなく

    毎日出入りする玄関先に
    新しい何かを付け加えて

    これから始まる1日に
    素晴らしい出来事がやってくるような
    青い空を見上げた時の爽快感のある

    そんな朝を届ける事が出来たら・・・(つづく)




















































    復元するということは 遠い過去と近い未来を繋ぐこと(後編)

    • 2016.04.12 Tuesday
    • 09:27
    前回の続きです

    そこで、建物の持つ魅力やお施主様の思い出を整理しながら、
    より良い継承を模索しました。
    時には、行政や有識者の方々を交え協議し、
    「現在よりも耐震性を高めながら、建物を復原し、次世代に託す」
    という案に辿り着きました。

    幸い建築当時のご記憶や写真も数枚残っておりましたので、
    当時の姿を思い起こすのは容易でしたが、
    2階に付いていたと言われる格子の意匠がはっきりしません。
    頼りのお施主様も
    「竪格子があったのは、覚えてるんやけど、横桟はあったかどうか・・・」
    といった感じで、類例も調べましたが、お聞きしたような例もありません。

    そこで当時の主人の気持ちになって、
    家の中を改めて見ると・・・
    竪格子に横桟を2本通す意匠を多用されていたので、
    「この方なら、横桟を2本通したに違いない」と仮定し工事を進めました。

    取り付けられていたアルミサッシを外すと・・・、
    当時の敷居・鴨居から、竪格子のホゾ穴と
    柱からは2本の横桟のホゾ穴が見つかりました。
    その時は、御記憶や予想が当たった喜びよりも、
    当時の主人の想いに繋がったという
    なんとも言えない気持が大きく、
    「これで自信を持って、次世代にバトンを繋げる」と安堵しました。














    続きを読む >>

    復原するということは 遠い過去と近い未来を繋ぐこと (前編)

    • 2016.04.05 Tuesday
    • 09:40
    京都市内の閑静な住宅地で改装しました。
    お施主様は90代の男性の方で、
    「もし地震があった時、自分の家が倒壊して近所に迷惑をかけたくないし、
    今の間に直しておきたい」とのことでした。

    建物は、昭和初期に建てられた京町家で、
    当時「市中の隠居」として流行した意匠構成を保持しながら、
    現代生活に合わせながら、大切にお住まいになられていました。
    お施主様の年齢とお父様の想いを共有してほしいと考え、
    息子様を交えて打ち合せを重ねました。

    具体的な調査や打ち合せを重ねると、
    家に関する由緒や上品な室礼等、建物の持つ良さがどんどん明らかになり、
    「現在の計算方法で、耐力壁を増設し、
    耐震性を上げてお施主様の要望を満たす事はできても、
    建物の持つ情緒や歴史性を損なう恐れもあり、
    果たしてどういう改修がこの建物にふさわしいのか?
    どのような形で次世代にバトンタッチをするのが良いのか?」
    という疑問が湧きました。(つづく)















    気分爽快(後編)

    • 2016.02.09 Tuesday
    • 08:20

    (前回の続きです)


    便所の奥行きをいかに伸ばすか・・・

    便所を広くすると、洗面所、洗面所の出入り口が狭くなります。
    ギリギリのバランスを検討し、
    1センチでもより広いスペースを確保できるよう
    便器の位置等も价碓未埜‘い靴泙靴拭

    内装は、ここに来るのが億劫にならないような、
    用を足すだけではなく、心持もリセットできるような
    狭さを超える心地よい空間にできないかなと考えました。

    お施主様は、以前同様タイル張りを希望されていました。
    小さいタイルを張ると、タイル目地で狭く感じると思いましたので、
    大きめのタイルを選び、
    心持をリセットするのにお家のインテリアとはあえて異なる
    ホテルのトイレのようなイメージで仕上げました。

    台所から洗面所に下りる際にある40センチ程の段差は、
    お施主様が天井の圧迫感を感じないギリギリまで床の高さを上げ、
    段差を18センチとし、階段1段分の登り下りを
    日常のエクササイズ代わりに利用して頂く事にしました。

    竣工後、一つ一つの動作を確認しながら利用頂くと・・・

    「これはいい!

     広くはないけど、十分用も足せるし、雰囲気も気に入りました。
     うん、やっぱり思い切ってやってもらって良かった」

    と聞き、張りつめていた緊張感がすーっと消え、安堵しました。

    1か月ほどあとにお会いした際

    「洗面所にも下りやすいし、
     生活の流れが良くなったというか、非常に楽になりました。
     やってもらって、本当に良かった」

    とおっしゃられたお施主様の笑顔に清々しい心持を感じました。


    BEFORE

      
    台所から、一段下りて、洗面所。奥の扉を開けると、便所です。

    AFTER
      
    台所の床も張り替え、洗面の右手の扉を開けると・・・!
































     

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